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格差と民主主義 ロバート・B・ライシュ

 クリントン政権の労働長官、オバマ大統領のアドバイザーを務めたカリフォルニア大学バークレー校ロバート・B・ライシュ教授が「格差と民主主義」の著書で、米国における絶望的な格差の拡大を、「資本主義と民主主義の負の連鎖」から鮮やかに解明しています。中間層の生活レベルがその国の経済力レベルと関係しているので、グローバル経済で、競争力を失いつつあると、長期的に中間層の生活レベルが下がっていくことはとめられないようです。

 経済学者をもってしても、「格差の拡大を緩和する」有効な処方箋を見出せずに、アメリカ政治、経済の仕組みを変えることが難しいことを語っています。国民が立ち上がるほど、経済が悪くなるまでは、富裕層優遇の政治は変わりそうにありません。日本は、景気の立ち直りも悪く、格差は増えていきそうです。

1、この30年間、経済成長による利益のほぼすべてがトップ層にわたっている。
富裕層上位400人が一億5千万人の勤労所得をすべて合計したよりも多くの所得を手にしています。
2、2008年の不況後の回復でも、中間層の購買力は回復していない。
3、企業や富裕層は税金を少ししか払わずに政府から手厚い企業助成を受けるになった。
4、政府予算が縮小している
5、縮小していくパイの分け前で国民が競争をしている。

<米国経済の現状>
「回復の足取りは、きわめて遅い。中間所得層が失われつつあることが大きい。米国の経済の7割は、個人消費に依存しているが、その担い手である中間層が、もはや経済を持続的に回していくだけの購買力を持ちえていない」

「この傾向が始まったのは1970年代後半からだ。中間層は消費を続けるために、まずは主婦などの女性が働きに出た。次に、多くの人が長い時間働くようになった。それでも足りないので、多くの人は住宅などを担保にお金を借りて消費に回した。住宅価格が上がっている限り、それは足りないお金を補うことに役だった」

「やがて住宅バブルははじけ、借り入れすらできなくなった。2007年には国民の総所得の4分の1が人口の1%に集まっているが、これほどまでに一極集中したのは大恐慌直前の1928年以来のことだ。それほど、いまの米国は所得の格差が拡大している」「元気な消費者がいなければ企業は投資しない。米国経済が、再び力強い成長の軌道にのるには、中間層の復活こそがカギになる。それ以外に方法はない。格差をそのままにすれば、いずれ政治的な不満として噴き出てくるだろう」

<米国のような経済格差は、世界的に広がる傾向>
「格差拡大の傾向は、すでに多くの国でみられる。中国やロシア、インドなど新興国でも富が富裕層に集まる傾向がみられ、実際、こうした国の経済成長も鈍くなっている。米国ほどひどくはないが、私は、日本でも格差の広がりは無視できないと考えている」

<中間層を復活させる政策>

「米国では、新しい仕事をうまく見つけられる再雇用制度や、所得階層が低い人たちへの教育の充実、公的医療保険の対象を広げることなどが考えられる」

「私は11月の大統領選の結果に希望をみた。(オバマ氏が再選されたということは)米国民は例えば富裕層への増税などを望んでいることを望んでいるというシグナルだ。格差が広がっていることをふまえれば、富裕層の最高税率引き上げなどは理にかなっている」

「私が主張し続けたいのは、経済は(だれかの利益が増えると、その分、別の人の損失が増える)ゼロサム・ゲームではないということだ。経済がもっとよくなれば、いまは富が集まっている富裕層にとってもよいはずだ」

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